手力雄神社(てぢからおじんじゃ)は、岐阜県各務原市那加にある神社です。織田信長が稲葉山城(岐阜城)攻略にあたり戦勝祈願をしたと伝えられていることで有名な神社です。今でも、多くのスポーツ選手などが参拝に訪れます。織田信長ゆかりの神社ということでずっと気になっていて、ようやく訪れることができました。
手力雄神社について
各務原市那加地区の産土神で、各務原市金幣五社の一社です。
創建は不詳とのことですが、5世紀末には豪族が祭祀を行っていたと伝えられています。
主祭神
主祭神は、手力雄神(てじからおおかみ)。手力雄神は、お力の強い神さまとして知られています。神話には「テジカラオカミ」とありますが、この地域では、「てぢからさん」と呼ばれ親しまれています。
織田信長との関係
永禄年間に織田信長公が戦勝祈願をしたことから勝運、開運の神様として崇敬されています。信長は戦勝後、各務野原近里1300町歩の広大な社領や宝物等を寄進したそうです。この信長の禁制文は各務原市重要文化財として残っています。境内には、信長ゆかりの「弓掛桜」「的場桜」が残っています。(各務原市指定史跡)
鳥居~参道の様子
手力雄神社には広い駐車場があります。駐車場入り口にある看板は意外にもポップな看板がありました↓目立っていてわかりやすいです。
朱色の鳥居。鳥居をくぐると身が引き締まります。
12月上旬。イチョウの木も落葉が進んでいます。
鳥居の向こうには拝殿が見えます。
拝殿
立派な拝殿です。境内も広いです。
古墳
手力雄神社には古墳もあります。「境内史跡めぐり」と案内があるので、案内に従って行ってみました。
こちらの下をくぐります。
すぐ目の前に古墳が見えてきました。
古墳時代後期の円墳群だそうで、神社の裏山に横穴式石室をもつ円墳2基が保存されています。ともに各務原市指定史跡に指定されています。こちらは1号古墳です。
本殿/龍の雌雄
同じく、拝殿をくぐって本殿へ行くことができます。
本殿は、延宝2年(1674年)に再建されていますが、各務原市内では最古の木造建築です。豪華な一間社流造りで檜皮藁き。葺き替えを繰り返し今日まで300年余り前の姿を保っているそうです。古いのに、繊細な彫刻には驚きます。
古い狛犬さんもいました。その他の岐阜県重要文化財に指定されている1581年の狛犬は、博物館に寄託中とのことです。
本殿軒下の左右に配された寄木造りの雌雄の竜の彫刻。胴体と四肢が主屋とをつなぐ海老虹梁に巻きつくように取り付けられています。東西に1対として配置され、本殿を守っています。
色あせてはいますが、精巧な造りは見事で見とれてしまいました。(首が痛くなりますが・・・。)龍は、夜に抜け出しては田畑を荒らしたという伝説もあるそうですよ。
本殿と龍の雌雄も各務原市重要文化財に指定されています。もっと価値がありそうなのに市の指定止まりなのが信じられないくらいです。
「君が代」の歌詞にもある、さざれ石がありました。
境内社・稲荷神社
手力雄神社には、境内社として「秋葉神社」「八幡神社」福徳龍神社」などがあります。
境内社の中でも、朱色の鳥居が並んでいる「稲荷神社」が気になり参拝させていただきました。
ズラッと鳥居が並んでいます。
奥まで参拝しましたが、お賽銭箱が見当たらず鳥居まで引き返したところ、入り口右手ににあったのですね・・・。
その他にも、各務原市重要文化財に指定されている「獅子頭」(祭事の時だけ公開)などもあり、手力雄神社はこんなにも多くの史跡や文化財が残されていることに驚きました。
必勝祈願だけでなく、そういった史跡や文化財もぜひ観てほしい神社だと思いました。
なお、同じ名前の火祭りで有名な「手力雄神社」(岐阜市)があるので間違えないようにお気を付けください。(場所的に近いので間違えやすいです・・・)